唱行寺の歩み

千葉県市川市柏井町にある今島山唱行寺(しょうぎょうじ)は、1254年開山の歴史ある日蓮宗寺院です。
題目唱行に初めて太鼓を用いたことから「太鼓の霊場」として知られ、市川市指定文化財の木造日蓮聖人坐像や、忠臣蔵ゆかりの梶川与惣兵衛の遺品があります。

創建:応永年間

1254年 〜

首題房日唱によって開かれたと伝えられています。

日蓮大聖人との縁

教化と開堂

日蓮大聖人がこの地に立ち寄り、鐘阿弥を教化。日唱の法号を授与し、開堂供養を行ったのが縁起です。

太鼓の許し

太鼓の霊場の由来

大聖人が「太鼓を打つように」と薦めたことが、「太鼓の霊場」と呼ばれる由縁となりました。

現代

令和の唱行寺

第五十四世 加藤英晋住職のもと、藤の花が咲き誇る開かれたお寺として歩み続けています。




境内をお散歩

本堂

本堂

日蓮大聖人ゆかりの「太鼓の霊場」として、題目の響きが絶えない神聖な空間です。

鐘楼

鐘楼

夕暮れ時に響き渡る鐘の音は、市川の街を穏やかに包み込み、人々の心を癒します。

竹林

竹林

境内の奥に広がる静謐な竹林。陽光が優しく差し込むは癒やし、凛とした空気に包まれ、風に揺れる笹の音に耳を澄ませば、都会の喧騒を忘れる安らぎのひとときが流れます。

本堂

本堂

市川市指定有形文化財

木彫日蓮坐像
(もくちょうにちれんざぞう)

ご本尊 木彫日蓮坐像

製作年代

室町時代以前(推定)

造形様式

寄木造・玉眼

伝承作者

日法上人(日蓮聖人直弟子)

ご本尊の木彫日蓮坐像は、寄木造に玉眼を施した重厚な肖像彫刻です。製作は室町時代以前と推定され、像内には明応8年(1499年)の修理記録が残る歴史ある一尊です。

作者は聖人の弟子・日法と伝えられ、東京・池上本門寺にある像の形式を正統に継承しています。簡素な彫りの中に、どっしりと心に響く重みを感じさせる当山の至宝です。

唱行寺の起こりと「今島田」

唱行寺が建つこの地域は、かつて「今島田」と呼ばれていました。建長6年(1254)、この地にいた念仏僧・鐘阿彌が日蓮聖人に帰依して改宗。日蓮より「主題坊日唱」の法号を戴いて建立したのが、今島山唱行寺の始まりと伝えられています。

「太鼓の霊場」と鐘鼓塚

日唱は、それまで使用していた鐘鼓を捨て、日蓮の許しを得て題目唱行に初めて「太鼓」を用いました。そのため当時は「太鼓の霊場」と呼ばれ、捨てた鐘鼓を埋めた場所は今も「鐘鼓塚」として境内に残されています。

木彫日蓮坐像の価値

当寺の祖師像は、日蓮の弟子・日法の作と伝わります。総高38cm、寄木造りに玉目を施した本格的な肖像彫刻であり、昭和36年9月18日に「市川市有形文化財」の指定を受けました。明応・元禄・昭和、そして平成と、時代ごとの解体修理を経て、その尊い姿を今に伝えています。

梶川与惣兵衛と唱行寺

柏井周辺は、元禄13年(1700)まで「忠臣蔵」で知られる梶川与惣兵衛の知行地でした。境内には与惣兵衛の祖父母の墳墓があるほか、遺品などが寺宝として大切に受け継がれており、歴史の表舞台との深い繋がりを感じさせます。

参考:市川市ホームページ